西蓮寺について

西蓮寺の歴史

 西連寺は、天台宗尸羅度山曼殊院西蓮寺と号し、別名:常陸高野西連寺とも称されています。 西連寺は、桓武天皇(第50代天皇・在位:天応元年・781年~延暦25年・806年)の勅願により、延暦元年・782年に伝教大師最澄の徒最仙上人によって開創されました。 最仙上人は、常陸国関城(現在の茨城県筑西市)出身の高僧で、中国に渡り修行を重ね常陸の講師として帰郷、常陸国(現在の茨城県)で天台宗の布教に尽力しています。

文化財・天然記念物

仁王門  国指定重要文化財

天文12年(1543年)柱立
 室町時代後期のもので、その間斗塚(けんとつか)と蟇股(かえるまた)の形が特徴とされています。
昭和34年に、桟瓦葺を銅板葺に解体大修理を施しました。

相輪橖(そうりんとう)  国指定重要文化財

弘安10年(1287年)建立
 中興慶弁阿闍梨が弘安の役の戦勝記念に建てたと伝えられています。
 高さ約31尺の木心に青銅製の筒をかぶせ、頭部は錫杖の形になっており、
相輪橖と称されるものは西蓮寺の他に、比叡山延暦寺、日光山輪王寺に存在します。

木造薬師如来坐像 県指定有形文化財

木造薬師如来坐像は、開山最仙上人の御自作と伝えられ、貞観時代(じょうかんじだい・859年~877年)の作風をあらわした身丈4尺9寸余りの茨城県内最古の木像です。

大イチョウ1号株 茨城県指定天然記念物

樹高約25メートル、幹囲約6メートルの樹齢千年以上のイチョウの大木であり、最仙上人の御手植えと伝えられています。
明治16年の火災により、幹が焼け細くなっておりますが、旺盛な雄株です。
根本に、子安観音が祀られています。

大イチョウ2号株 行方市指定天然記念物

樹高約27メートル、幹囲約8メートルの樹齢千年以上のイチョウの大木であり、最仙上人の御手植えと伝えられています。
大正6年(1917年)の台風で幹の中途が折れました。
根本には、尸羅度稲荷が祀られています。

建造物

 西蓮寺の建造物は、明治16年に火災により消失したため、現存する建造物は、その後の復興で建てられたものです。

薬師堂(中堂)

 25坪160程前の建築を他から移築したと言われ、本尊薬師如来坐像を拝観できる祈願道場です。
御開帳:1月8日、4月8日、9月24日~30日
写経体験:9月24日~30日

常行堂

明治17年建立。
 常行堂には、来迎阿弥陀如来像が安置されており、9月24日~30日まで、僧侶が昼夜不断で読経する常行三昧会が行われており、日本で唯一の立行法要となります。

客殿

明治43年建立。
 秘仏釈迦如来立像が安置されており、法華経読謡の道場で、法要を行う場所で、客殿内には、常行三昧会の木目込人形や、籠行列で使用する籠が飾られています。

鐘楼

明治22年建立。
 重層の建造物で、大晦日から元旦にかけて除夜の鐘が鳴らされ、一般の方も鳴らすことができます。